サンドイッチやサラダなどに使うハムは、食卓に登場する機会が多い食材のひとつと言えるのではないでしょうか。ハムは、調理をしないでもそのまま食べることができるため、手軽に活用できる食材の一つです。本記事では、ハムに含まれている栄養素とタンパク質量を解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年10月6日時点のものとなります。
ハムとは、主に豚のもも肉やロース肉、肩肉の加工品のことです。もも肉から骨を取り除いたものを「ボンレスハム」、ロース肉で作られたものを「ロースハム」、肩肉で作られたものを「ショルダーハム」と呼びます。また、豚の小さな肉の塊とつなぎとを混ぜ合わせて作られたものは「プレスハム」です。
ハムの作り方は、次の通りです。まず豚肉の保存性を高めるために塩漬(えんせき)をします。豚肉をケーシングに詰めるほか、綿糸などで巻いて形を整えます。乾燥とくん煙を行い、蒸気で加熱し、冷却後に計量・包装されて完成です。製品によってはくん煙を行わない場合もあります。
加熱されていないハムは、一般的に生ハムと呼ばれています。生ハムにはいくつか種類があり、日本の生ハムはラックスハムの一種です。ラックスハムは、豚の肩肉やロース肉、もも肉を塩漬してケーシングなどで包んでから、低温でくん煙するか、乾燥して作られています。ラックスハムは、鮭のような赤色をしていることから、ドイツ語で鮭という意味の「lachs(ラックス)」が名称の由来となっています。
普段食べているハムは、家庭によって異なると思います。ハムの種類別に、含まれている栄養素とタンパク質量をまとめました。1枚あたりの重量で記載しています。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年10月6日
ハムに含まれている栄養素は、原材料である豚肉の栄養素を主に引き継いでいます。ハムはタンパク質を手軽に摂取できる食品ですが、部位によって脂質量が異なります。ボンレスハム・ロースハム・ショルダーハムを比べると、脂質量はもも肉から作られるボンレスハムが最も少ないです。
豚肉には幅広いミネラルのほか、代謝に関わるビタミンB群が多く含まれており、ハムも同様に含まれています。豚肉と比べると大きく異なるのは塩分量です。ハムの製造工程の塩漬の際、塩分を豚肉に浸透させるため、生の豚肉と比べると塩分が多く含まれています。先述のハム1枚(約10g)あたりの食塩相当量を見ると少ないと感じるかもしれませんが、100gで考えると約2~3gとなります。
調理をしないでそのまま食べられるハムは、手軽に使うことができる食材です。また、和・洋・中のさまざまな料理で使うことができます。冷蔵庫にストックしておけば、サラダに追加したり、卵焼きに混ぜ込んだりなど、活用しやすいのではないでしょうか。食事にハムを使うときのポイントをご紹介します。
1日3回の食事のうち、昼食や夕食に比べると、朝食は軽めになる方もいると思います。食事量が少なくなると、摂取できるタンパク質量も少なくなる傾向があります。朝食のタンパク質をプラスするには、ハムを活用するのも方法の一つです。ハムを活用した朝食例のハムエッグをご紹介します。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年10月6日
日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されているタンパク質推奨量は、18~64歳の男性65g/日、女性50g/日であり、3等分にすると男性21.7g、女性16.7gとなります。上記の表の朝食例からハムを除いた場合、タンパク質量がに留まりますが、ハムを追加することで、タンパク質量が17.2gに増え、約1食分のタンパク質量を摂ることができます。
ハムには塩分が多く含まれており、食べる量によっては1日の塩分摂取量が多くなってしまう可能性があります。日本人の食事摂取基準(2020年版)に示されている食塩相当量の目標量は、健康な成人男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満です。日本人の食生活では、調味料のほかにも漬物や干物などの保存食から塩分を摂取する機会があるため、気を付けないと塩分摂取量が目標量よりも多くなる傾向があります。ハムから摂取する塩分を少しでも減らすには、減塩タイプのハムを選ぶか、熱湯でゆでる方法があります。
ハムをゆでると、どのくらい塩分が減るのでしょうか。日本食品標準成分表に記載の100gあたりの「ロースハム」の食塩相当量は2.3g、「ロースハム ゆで」は1.9gであり、0.4g少なくなります。ハム1枚あたりで考えると、大きな違いはないかもしれませんが、ハムを食べる頻度が高い方はゆでてみるのもおすすめです。また、料理にハムを加える場合は、料理に使う醤油や味噌など塩分を含む調味料を調整するのも方法の一つです。
不足するタンパク質はハムを活用する方法もありますが、どうしても食事からのタンパク質が不足する場合は、栄養補助食品を活用することも選択肢になるのではないでしょうか。森永製菓が取り扱う、タンパク質を含む栄養補助食品をご紹介します。
牛乳由来のホエイプロテイン、カゼインプロテインと、植物性タンパク質の大豆プロテインを配合しています。速やかに吸収されるホエイ、緩やかに吸収されるカゼインと大豆の吸収スピードの差で、カラダづくりをサポートします。ロースハム10枚分(100g)に近いタンパク質を摂取できます。
マッスルフィットプロテイン 森永ココア味は、1食でタンパク質を23.3g摂取できる粉末プロテインです。マッスルフィットプロテイン プラスと異なる点は、配合されているタンパク質がホエイとカゼインであることです。牛乳由来のタンパク質を活用したい方におすすめです。
いつでもどこでもタンパク質が補給できる、プロテインバーです。運動前後や仕事中の栄養補給に活用しやすいのではないでしょうか。しっとりとしたベイクドチョコタイプで、口どけが良いと感じる方もいると思います。スーパーマーケットやドラッグストアのほかにも、コンビニエンスストアでも取り扱っています。常温で持ち運びができ、ストックのしやすさから非常食にも活用されています。
つるっとした喉ごしで、水分補給をしながらタンパク質を補給できるゼリー飲料です。運動前後や間食などの栄養補給に活用しやすいと思います。1袋あたりで含まれている脂質は0gであり、低糖質であることも特徴です。代謝に関わるビタミンB群も配合されています。粉末プロテインのように水や牛乳に溶かす手間はないため、非常食にも活用できます。
手軽に活用しやすいハムは、タンパク質が足りない食事に追加することで、タンパク質不足をサポートします。一方で、塩分が多く含まれているため、食べる量に気を付けつつ、塩分を控える工夫も取り入れてみてはいかがでしょうか。
<参考>
1)#6 ハム・ソーセージの定義について(2015年10月号) 参照日:2023年10月6日
2)食肉用語の解説ハム 参照日:2023年10月6日
3)ハム・ソーセージ・ベーコンができるまで 参照日:2023年10月6日
4)生ハム 参照日:2023年10月6日
5)ラックスハム(ラックスシンケン) 参照日:2023年10月6日
6)日本食品標準成分表2020年版(八訂)参照日:2023年10月6日
7) 日本人の食事摂取基準(2020年版)参照日:2023年10月6日