プロテインはタンパク質を補うための栄養補助食品です。理想のカラダづくりや健康サポートを目的に、プロテインを活用している方もいると思います。一方で、タンパク質以外に脂質が多く含まれていると、摂取エネルギーの増加が気になるという方もいるかもしれません。本記事では、プロテインに含まれている脂質量について解説します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2023年3月17日時点のものとなります。
食品に含まれている脂質は、エネルギー源となるほか、細胞膜やホルモンの材料となり、脂溶性ビタミンの吸収を助ける働きがあります。
脂質は、炭水化物やタンパク質とともに、エネルギー産生栄養素の一つです。炭水化物やタンパク質は1gにつき4kcalのエネルギーを生み出し、脂質は1gにつき9kcalのエネルギーを生み出します。脂質はさまざまな食品に含まれているため、一般的な食事をしていれば不足しにくい栄養素です。
食品に含まれている脂質は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。そのうち、不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸に分けられます。このうち多価不飽和脂肪酸はカラダの中で作り出せないため、食品から摂取することが必要です。多価不飽和脂肪酸には、サンマ、サバ、イワシなどの青魚に多く含まれているDHAやEPA、アマニ油、エゴマ油に含まれているα‐リノレン酸などがあり、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
エネルギー産生栄養素の炭水化物、タンパク質、脂質は、バランスを考慮して摂取することが大切です。健康な人のカラダに必要な栄養素は、日本人の食事摂取基準(2020年版)で示されています。脂質摂取量なども含め、脂質について詳しくは「脂質の働き・役割と摂取の目安量、脂質と上手く向き合うための食事のポイントを紹介」で解説しており、こちらをご覧ください。
プロテインの主成分となるタンパク質が多く含まれている食品には、主に肉、魚、卵、大豆・大豆製品、乳・乳製品があります。これらが食事から十分摂れない時にはプロテインを活用することもあるかもしれません。粉末プロテインに含まれている脂質は、タンパク質を多く含む食品と比べると少ないです。
粉末プロテインに配合されているタンパク質には、牛乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテイン、大豆由来のソイプロテインなどがあります。牛乳や大豆から、主にタンパク質を抽出したものを配合しているため粉末プロテインに含まれている脂質量は少ないです。
粉末プロテインは、水や牛乳などの飲料に溶かして飲むプロテインです。粉末プロテインそのものの脂質量が少なくても、溶かす飲料によって摂取する脂質量が変動します。粉末プロテインを溶かす飲料には、水、牛乳、豆乳、オレンジジュースなどが選択肢になると思います。これらに含まれている脂質量を比較しました。
日本標準食品成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年3月17日
飲料によって脂質量には幅があります。上記の飲料の中では、普通牛乳に最も多く脂質が含まれています。
粉末プロテインを摂取する場合に、脂質やその他の栄養素摂取を抑えるためには、水で溶かすようにしましょう。粉末プロテインには、ココア味やバニラ味など、飲みやすいようにフレーバーが付けられています。水に粉末プロテインを溶かすと、フレーバーそのものを味わうことができます。
一方で、水に溶かした粉末プロテインを飲み続けると、味わいに飽きてしまうかもしれません。その場合は、溶かす飲料を変えるのも選択肢になります。脂質を抑えながら水以外の飲料を選ぶなら、無脂肪牛乳やオレンジジュースを選んでみてはいかがでしょうか。
粉末プロテインに含まれている脂質量は、タンパク質源となる食品に含まれている脂質量と比べると、どのくらいなのでしょうか。まずは、森永製菓が取り扱う粉末プロテインに含まれている脂質量をまとめました。
どのプロテインも、含まれている脂質量は少ないのが特徴です。では次に、タンパク源となる数種類の食品と、粉末プロテインに含まれている脂質量を比較します。マッスルフィットプロテインの1食あたりのタンパク質量に合わせて重量を調整し、脂質量を比較しました。
日本標準食品成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2023年3月17日
上記の表のうち、マッスルフィットプロテインに近いタンパク質と脂質量を摂取できる食品は鶏ささみです。また、アジや鮭などの魚類は比較的脂質を抑えながらタンパク質も摂取できます。上記の表をみると、粉末プロテインは脂質を抑えながらタンパク質を摂取できる食品であることが分かるのではないでしょうか。
一方で、食事は栄養バランスを整えることが大切です。さまざまな食品から体に必要な栄養素を摂取することが重要です。プロテインはあくまでも栄養補助食品であり、食事からタンパク質が不足した場合に活用することをおすすめします。
スーパーマーケットやドラッグストアで購入できるプロテインも種類が増えてきました。どのようなプロテインがあるのか、森永製菓が取り扱う製品の中からおすすめをご紹介します。
牛乳由来のホエイプロテイン、カゼインプロテインを配合した粉末プロテインです。脂質が抑えられているにも関わらず、1食あたり20g以上のタンパク質を摂取できます。理想の筋肉を目指してカラダづくりをしている方、食事量が少ないことからタンパク質をしっかりと補いたい方などで活用しやすいのではないでしょうか。
大豆から抽出されたソイプロテインを配合した粉末プロテインです。マッスルフィットプロテインと同様に脂質を抑えつつ、摂取できる1食あたりのタンパク質は10g。食事から不足したタンパク質を補いやすい量だと思います。ゆっくりと吸収されるソイプロテインが、健康づくりをサポートします。
ソイプロテインとホエイプロテインを配合したジュニアプロテインです。1食あたりのタンパク質は8.4g。先述のマッスルフィットプロテインやおいしい大豆プロテインと比べると摂取できるタンパク質は少ないです。しかし、成長期に積極的に摂取したいカルシウムや鉄が配合されています。補いたい栄養素に合わせて、成長期のジュニアだけでなく成人も活用できると思います。
1袋あたりのエネルギー33kcal、タンパク質5g、脂質0gのゼリー飲料です。栄養補助食品からの脂質は摂取したくない場合に、活用しやすいのではないでしょうか。エネルギーも低めのため、体重コントロールの栄養補給、食事で不足したタンパク質の補給などにもおすすめです。
1本あたりのエネルギー117kcal、タンパク質10.8g、脂質0.7gのプロテインバーです。脂質摂取量が多くなる傾向があるプロテインバーの中で、脂質を控えめにしている製品です。ザクザクとした食感で食べ応えがあり、小腹がすいたときの間食や手軽に食べたい朝食などにも活用しやすいのではないでしょうか。
プロテインは、タンパク質が豊富な食品に比べて、脂質を抑えながらタンパク質を摂取できる特徴があります。製品によって含まれているタンパク質量、配合されている栄養素が異なるため、食品表示を参考に求めているプロテインを探してみるのはいかがでしょうか。