果物はダイエットの味方!太らないヒミツは"食物繊維"!

実りの秋、食欲の秋。秋といえば、フルーツが美味しい季節というイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。果物には身体に嬉しい要素がたくさんあるということで、足立香代子先生にお話を伺ってきました。

監修

一般社団法人臨床栄養実践協会理事長
せんぽ東京高輪病院名誉栄養管理室長
足立 香代子 先生

中京短期大学家政科食物栄養専攻卒業後、医療法人病院を経てせんぽ東京高輪病院(現・東京高輪病院)に勤務。2014年、一般社団法人臨床栄養実践協会を発足。長年の臨床経験を活かし、年間100回を超える講演会を通して管理栄養士の育成にも力を注ぐ。
著書は「太らない間食」(文響社)、「油はすごい。」(毎日新聞出版)など多数。

中京短期大学家政科食物栄養専攻卒業後、医療法人病院を経てせんぽ東京高輪病院(現・東京高輪病院)に勤務。2014年、一般社団法人臨床栄養実践協会を発足。長年の臨床経験を活かし、年間100回を超える講演会を通して管理栄養士の育成にも力を注ぐ。
著書は「太らない間食」(文響社)、「油はすごい。」(毎日新聞出版)など多数。

果物が太りにくいと言われる理由

果物がどこかで太るイメージを持たれるのは、カロリーだけで判断してしまうからかもしれません。カロリーだけで見るのであれば、砂糖水と近いところがあります。ですが、果物には砂糖水とは大きく違う点があります。まず1つとしてあげられるのは、血糖値を上げにくい「果糖」が多く入っているという点です。
血糖値が急激に上がると太りやすいと言われています。血糖値が上がるとインスリンが出て、糖を一生懸命下げようとします。そして脂肪細胞に貯金をしようとする、その結果太る原因になりやすいのです。砂糖に含まれるショ糖を摂取すると、血糖値が急激に上がって急激に下がるのですが、果糖は血糖値が上がりにくく下がりにくい。砂糖水を飲んだ場合と違って、ゆっくり吸収されるのでわりと腹持ちが良いという点でも、ダイエットに向いているかもしれません。

果物には栄養素がたくさん

果物の素晴らしい点として、食物繊維が多く入っているということがあげられます。食物繊維は腸内環境を良くするだけではなく、食後の血糖値やコレステロールを上げにくいという作用があるのです。食物繊維には不溶性繊維と水溶性繊維がありますが、果物に含まれるのは水溶性繊維。この水溶性繊維こそが、血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を改善したりするのに効果的なのです。
また、果物には食物繊維以外にもたくさんの栄養素が含まれています。ストレスで逃げやすいビタミンCや、糖の代謝を良くするビタミンB1、お肌にとても良いと言われタンパク質の代謝を高めるビタミンB6。骨にとって大事な成分であるカルシウムやマグネシウム。さらに、血圧を下げるのに有効だと言われているカリウム。これらの栄養素を手軽に一度に摂れるのも、果物の利点です。

積極的に果物を食べましょう

日本における果物の消費は年々減っていますが、果物の良さを知りもっと積極的に摂っていくべきだと思います。動脈硬化学会が6月30日に発表した新しいガイドラインでは、果物は2型糖尿病のリスクを減らし、罹患した人も果物を摂ると合併症が減ると書かれています。また、果物を摂っている人のほうがLDL(悪玉コレステロール)を下げてHDL(善玉コレステロール)を上げるという論文が掲載されました。
では、どのくらい食べるのが適当なのでしょうか。厚生労働省は200gくらいを摂るようにと、またアメリカの糖尿病学会は300gを摂るのが良いと定義しています。200gというと、バナナ2本、キウイフルーツなら2~3個、りんごは大きいものを丸々1個くらいのイメージでしょうか。
加熱したり切ったりせずに食べられるので、手軽に、栄養素が失われず丸ごと摂取できるのも果物の良い点です。サラダやピクルスに加えたり、ドレッシングの砂糖の代わりに使用したりと、普段の料理に取り入れても美味しくいただけます。タンパク質と果物を組み合わせて摂るのが理想的です。

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