森永ビスケット

Vol.3 夢の競演が生んだ「エンゼルパイ」

敗戦から10年が経った昭和30年代は、日本が目を見張る成長と変革を遂げた時代でした。三種の神器と言われた、“テレビ、冷蔵庫、洗濯機”に加えて、乗用車の登場などによって国民の生活様式は一新していったのです。
森永自身もこの新しい変化に即応すべく、生産体制を刷新するとともに、新しい消費生活パターンに見合う新製品の開発、既存の製品の革新的改良に励んでいきました。

そんな中、現在でも人気を集めている『エンゼルパイ』は1961年(昭和36年)に誕生しました。
エンゼルパイの最大の魅力は、なんといってもチョコレートとマシュマロとビスケット、この3つのコンビネーションが生み出す独特の食感です。創業当時の主力商品で、まだ高級なイメージがあったマシュマロ。同じく創業当時から森永太一郎が力を注いだチョコレート、そして森永の看板とまで言えるビスケットの組み合わせは、まさに繁栄の時代だったからこそ生まれ、人々を喜ばせた商品と言えるでしょう。

森永のコーポレートマークであるエンゼルマークは、アメリカでマシュマロが“エンゼルフード”と呼ばれていることに起因しています。そのエンゼルをネーミングに使用したところからも、このエンゼルパイに込められた森永の想いが伝わってきます。
その後エンゼルパイは様々な改良を加え、時代時代の人たちを楽しませ続けてきました。現在では手軽に気軽に食べられる一口サイズの“エンゼルパイミニ”を発売しています。