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アスリートも一般の方も、トレーニング後の栄養補給にプロテインを摂取する方は多く、場合によっては食事の代わりに活用することもあれば、食事間の補食として活用している方もいるかと思います。様々なシーンに合わせて、効率よくタンパク質を補給することができるプロテインですが、栄養補給の基本は食事であるということを忘れずに、安全性や過剰摂取には注意をした上で、目的に合わせて適切に活用することをおすすめします。
タンパク質含有量が多い食品は、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品があります。特にトレーニング後は、このような食品を準備して、偏りのないようにタンパク質補給をすることもおすすめです。しかし、トレーニング後すぐに食品(特に固形物)を食べることが難しい方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、プロテインの原料としても多く使われ、飲料としてタンパク質補給ができる「牛乳」をトレーニング後に活用できないかと考えました。
例えば、Josseら(2010)は、次のような論文を発表しています。
レジスタンストレーニング後に高品質のタンパク質を摂取することで、筋タンパク質合成を促進し、筋肉量を増加させることが明らかとなっています。そして、男性における無脂肪牛乳の摂取が筋肉量の増加と脂肪量の減少を適切にサポートしていることを示すデータがある一方、一般的に若い女性は太るなどのイメージから乳製品の摂取を避ける傾向が多いことも分かっています。この論文では、若い女性を対象に、長期的なレジスタンストレーニングを実施後、無脂肪牛乳を摂取することで骨格筋量の増加や脂肪量の減少があるかについて、検証しています。その結果、無脂肪牛乳を摂取した群において骨格筋量の増加、脂肪量の減少がみられました。また、その他の影響として、骨代謝回転(リモデリング)にプラスの影響を与える可能性も示唆されました。
(文献)
JOSSE, A.R, J.E.TANG, M.A.TARNOPOLSKY, S.M.PHILLIPS. (2010)Body Composition & Strength Changes in Women with Milk & Resistance Exercise. Med. Sci. Sports Exerc,(42)6, pp1122–1130.
このエビデンスによると、トレーニング後の無脂肪牛乳摂取は、健康的に体組成を改善することが示唆されています。牛乳に含まれるタンパク質においては、プロテインの多くが乳由来であるように、アミノ酸組成から見ても良質なタンパク質であると言えます。
また、このエビデンスの中では、無脂肪牛乳を使用しておりますが、他の論文において、筋グリコーゲンの回復促進効果には、乳脂肪分が重要な役割を果たしている可能性も報告されています1)。牛乳には種類がいくつかありますが、普通牛乳(乳脂肪分3.8%)と無脂肪牛乳(乳脂肪分0.5%未満)の栄養成分を比較してみましょう。
2015年版食品成分表より
比較してみると、名称通り脂質の含有量のみ差があり、タンパク質や炭水化物、カルシウムの含有量には大きな差がないことがわかります。単に脂質の摂取量を抑えたい場合に、無脂肪牛乳を選ぶという選択もよいですが、トレーニング後の補給の場合には、筋グリコーゲンの回復促進の目的では普通牛乳を摂取、筋肉量増加・体脂肪量減少の目的では無脂肪牛乳を摂取するという使い分けもできるのではないでしょうか。
サポートしているアスリートの中でも、強度の高いトレーニングをした後は固形物(食事など)を摂取することに抵抗があるという方もいます。また、アスリートではない方でも、食事量を確保することができないという方もいますし、健康維持を目的に運動を行うシニアの方も、運動後すぐには食べることができないという場合もあるかもしれません。そのようなシーンに合わせて、トレーニングや運動後に牛乳を上手に活用してみてはいかがでしょうか。
様々なプロテインやサプリメントが発売されている現在、便利で効率がよい製品に頼ってしまいたくもなりますが、栄養補給の基本は食事であることは忘れないでいただきたいと思います。そしてぜひ、トレーニング後の栄養補給の一つとして、健康的に体組成改善をサポートしてくれる無脂肪牛乳を活用してみてください。
1)深澤歩ら(2019)糖質と同時に摂取する牛乳の乳脂肪分の有無が運動後の筋グリコーゲンの回復に及ぼす影響.日本スポーツ栄養研究誌,12:33-41.
(文責)
山上はるか
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