のどごしの良いそうめんは、夏の定番料理です。気温が高くて食欲が落ちていても、そうめんは食べられるという方もいるかもしれません。そうめんにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。本記事では、そうめんの栄養素を解説し、栄養バランスを整える組み合わせやレシピも紹介します。
※記事内でご紹介している森永製菓の製品の栄養成分は、2025年5月13日時点のものとなります。
そうめんは一般的に、白色で細長い形状をしています。そうめんと似た形状で、同じような食べ方をするものに「ひやむぎ」がありますが、そうめんとの違いが気になる方もいるかもしれません。そもそも、そうめんやひやむぎとはどのような食べ物なのでしょうか。
そうめんとは、小麦粉・水・塩を主原料にした細い乾麺です。日本で古くから食べられており、中国から伝わったお菓子である「索餅(さくべい)」がルーツだといわれています。冷して食べるだけでなく、温かいつゆをかけた「にゅうめん」としても食べられます。
そうめんの製法は、機械で作られた「機械製麺」と手作業で作られた「手延べ」の2種類です。機械製麺のそうめんは、薄く伸ばした生地を機械の刃で切り、乾燥させて作られています。手延べのそうめんは、生地を引き延ばして丸棒状にしたあとに乾燥させています。
全国でそうめんは作られており、兵庫県の揖保乃糸、奈良県の三輪そうめん、長崎県の島原そうめんなどが有名な産地です。
ひやむぎの主原料は小麦粉・水・塩であり、そうめんと同じです。日本農林規格でそうめんとひやむぎは、麺の太さで分類されます。なお、この分類は、機械製麺によるものです。
食品表示基準 別表第1~別表第8(令和7年3月28日施行時点)より筆者作表
参照日:2025年5月13日
このように、ひやむぎの方がそうめんよりも太めです。手延べの場合は、麺の太さにばらつきができるため、直径1.7mm未満であれば「そうめん」か「ひやむぎ」か、どちらかで表示してもよいとされています。
麺の直径が大きなひやむぎは、一般的にそうめんよりも長い茹で時間が必要です。食べたときの違いとしては、そうめんは細麺であることから喉ごしの良さがあり、ひやむぎは麺のコシを楽しめます。食感の好みでそうめんとひやむぎを使い分けてはいかがでしょうか。
夏になると、そうめんと麺つゆだけで食べる方もいると思います。そうめんのみでは、どのような栄養素が摂取できるのでしょうか。なお、そうめんとひやむぎは同様の主原料であるため、食品成分表では同じ食品として扱われていいます。
そうめんは小麦粉から作られており、栄養素はエネルギー源となる炭水化物が中心です。そうめんの主な栄養素を表にまとめました。
そうめんは1食あたりで乾麺100gを茹でると思います。乾麺100gを茹でると、約2.9倍になります。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月13日
そうめんに含まれているタンパク質は、肉類や魚介類と比べると少なめですが、1人前で約10gが摂れます。また、そうめんは脂質が少ないことが特徴です。そうめんは、製造過程で塩を加えるため、乾麺には食塩が多く含まれていますが、茹でることで湯に塩が溶け出します。
そうめんに含まれているビタミンは限られており、主に代謝に関わるビタミンB群が少量含まれています。ミネラルは幅広い種類が含まれており、塩分が多いことからナトリウムが多めです。カルシウムや鉄のような意識して摂取したいミネラルの量は少なめです。
エネルギー源となる主食として食べるそうめんは、炭水化物を多く含みます。しかし、ビタミンやミネラルの量は少なく、タンパク質も十分ではありません。そうめんと麺つゆのみで食べると栄養バランスは偏るため、ほかの食品で補う必要があります。
カラダづくりをしていると、食事から摂取できるタンパク質量を把握したい方もいるのではないでしょうか。そうめんに含まれているタンパク質量を、詳しく解説します。
乾麺は、基本的に50gで一束とされており、二束分の100gが一般的な一人前の量です。乾麺のそうめんの栄養成分は、メーカーによっても多少の差がありますが、日本標準食品成分表(八訂)では、100gあたりの「穀類/こむぎ/[うどん・そうめん類]/手延そうめん・手延ひやむぎ/乾」のタンパク質量は9.3gです。
そうめん一人前2束(100g)では足らず、たくさん食べる方もいるのではないでしょうか。そうめん一束50gあたりの「穀類/こむぎ/[うどん・そうめん類]/手延そうめん・手延ひやむぎ/乾」のタンパク質量は4.7gです。一束増やすと約5gのタンパク質を摂取できる、と覚えておくと分かりやすいのではないでしょうか。
そうめん以外の主食にもタンパク質は含まれています。そうめんと比べると、どのくらいの量なのでしょうか。干しうどんと白米1食あたりのタンパク質量を表にまとめました。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月14日
干しうどんは、そうめんと同様に小麦粉を主原料として作られているため、タンパク質量はそうめんとほぼ同じです。また、白米のタンパク質量は、原材料の違いから、そうめんと比べると約半分です。
カラダに必要なタンパク質推奨量は、日本人の食事摂取基準(2025年版)に示されており、年齢や性別、活動量などによって異なりますが、18~64歳の男性65g/日、女性50g/日です。タンパク質推奨量を3食で均一に摂取すると、1食あたり男性約22g、女性17gとなります。
1食でそうめんのみを食べると、タンパク質推奨量の約1/2量しか摂取できないことになります。そのため、そうめんをタンパク質源として考える場合には、補助的な役割となります。
そうめんのみではタンパク質をはじめとした栄養素は不足します。しかし、ほかの食材と組み合わせることで、栄養バランスを整えることが可能です。淡白な味わいのそうめんは、幅広い食材と組み合わせしやすく、さまざまな楽しみ方ができます。
カラダを作る材料となるタンパク質は、タンパク質を主に含む肉類、魚介類、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品などを組み合わせることで補うことができます。冷たくして食べるそうめんでは、茹で卵や錦糸卵、茹でたささみを手で割いたもの、ツナ缶、豆腐、納豆なども組み合わせやすいと思います。温かくして食べるにゅうめんでは、卵や豆腐のほか、かまぼこなども活用できます。
カラダの調子を整えるビタミンやミネラルは、野菜や海藻類から摂取しやすい栄養素です。生のまま食べられるトマト、きゅうり、青じそ、みょうがは冷たいそうめんと相性がよく、組み合わせる方もいると思います。下茹でしたオクラは、粘りのある食感がそうめんと合うのではないでしょうか。
食物繊維はきのこ類、海藻類、野菜に多く含まれています。なめこや甘辛く煮たしいたけ、わかめ、めかぶなどは冷たいそうめんに合うと思います。にゅうめんにも、きのこ類や海藻類は組み合わせやすいと思います。
主食であるそうめんと、主菜や副菜を組み合わせた場合の、エネルギー量とタンパク質量の例を紹介します。
まずは、ツナ缶水煮と野菜をそうめんにトッピングした例です。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月14日
上記の組み合わせで、男女ともに1食あたりのタンパク質推奨量は補えます。また、トマトでβ-カロテン、ツナ缶でビタミンB群なども摂取できます。
次に、ゆで卵とわかめなどをトッピングした例です。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)を参考に筆者作表
参照日:2025年5月14日
ゆで卵1個分はツナ缶と比べるとタンパク質量が少ないですが、女性の1食あたりのタンパク質推奨量は補えます。男性が1食あたりの推奨量を摂取したい場合は、ハムやちくわ、納豆などを追加することも方法の一つです。不足するタンパク質は別の食事や間食で補うことも選択肢になります。
暑い時期に簡単に作れる、そうめんのレシピ2品を紹介します。
食材(2人分)
そうめん 4束(200g)
豚もも薄切り肉(しゃぶしゃぶ用) 200g
サニーレタス 3~4枚
みょうが 1本
小ねぎ 2本
白ごま、刻みのり 適量
A
めんつゆ(3倍濃縮) 100ml
水 200ml
ごま油 小さじ1/2
※食材量は目安量です。
作り方
ポイント
食材(2人分)
そうめん 4束(200g)
モッツァレラチーズ 1個
トマト 2個
玉ねぎ 1/4個
バジル 3~4枚
オリーブ油 小さじ2
A
めんつゆ(3倍濃縮)100ml
水 200ml
酢 大さじ1
砂糖 小さじ2
※食材量は目安量です。
作り方
ポイント
日によってはそうめんに食品を組み合わせることが難しく、そうめんのみになってしまうかもしれません。タンパク質不足が気になる日は、栄養補助食品を活用することも選択肢の一つです。森永製菓が取り扱うプロテインの中から、おすすめの製品を紹介します。
森永ココア味は1食あたりタンパク質23.3gを摂取できます。そうめんとツナ缶を組み合わせたものに近いタンパク質量です。カラダに関わるカルシウムや鉄、代謝に関わるビタミンB群も配合されています。
1食あたりタンパク質15.6gを摂取できます。大豆プロテインが配合されており、植物性タンパク質を摂取したい方に活用しやすいと思います。ビタミンB群、鉄のほか、カラダの調子を整えるビタミンC、ビタミンEも配合されています。
1食あたりタンパク質10.4gを摂取できます。大豆プロテインが配合されており、吸収スピードがゆっくりであるため、満足感が持続すると思います。ビタミンB群、カルシウム、ビタミンDも配合されています。
1食あたりタンパク質8.4gを摂取できます。ビタミンB群に加えて、成長期に欠かせないカルシウム、鉄、ビタミンDが配合されていることが特徴です。食事のサポートのほか、間食にもおすすめです。
そうめんは炭水化物が多く含まれている食品です。エネルギー源となる主食に分類されるため、タンパク質は少なめです。しかし、ほかの食品と組み合わせることで、タンパク質のほか、ビタミンやミネラルを補うことができます。組み合わせはたくさんあるため、お好みのものを選んでみてはいかがでしょうか。
<参考>
1)日本人の食事摂取基準(2025年版) 参照日:2025年5月13日
プロテイン効果