ジュニアアスリートの身体と栄養~自転車教室のサポート~
小中学生は様々なスポーツを体験する人が多いと思います。この時期の成長は、運動面と身体面(栄養含む)ともに大変重要な時期です。特に、学校に通いながら多忙にスポーツをしている場合は、栄養補給が疎かになってしまうことで、将来の「健康」や「パフォーマンス」を損ねてしまうかもしれません。
2021年度から森永製菓トレーニングラボは、神奈川(横浜)と静岡のマウンテンバイク教室Bicycle Academy(以下BA)のトレーニングと栄養のサポートを開始しています。トレーニングは準備運動のプログラム作成、そして栄養は動画配信を通して生徒たちが、健康に楽しく自転車の練習を続けることができ、さらに上達していけるようなサポートを目指しています。
栄養の動画配信は、4月と5月に1回ずつ合計2回で、「みんなの身体」というテーマで学んでもらいました。BAには小学生低学年~高学年(一部中学生)が参加しています。詳しい教室の情報は、BAのHPをご覧ください。(https://bicycleacademy.jp/)
今回のコラムでは、その動画配信内容の一部を紹介したいと思います。
エネルギー不足に要注意
冒頭でもお伝えした通り、多忙にスポーツをしている小中学生は、エネルギー不足が懸念されます。身体はまだ小さいですが、「成長に必要なエネルギー(エネルギー蓄積量)」があるためです。
(動画に使用した著者作成図を一部改変して掲載)
運動をすることでたくさんのエネルギーを使い、食事からの栄養補給でまかないきれなかった場合、成長に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。さらに、1日に2つ以上習い事をしている場合や、平日学校が終わった後夜遅い時間まで練習をしている場合は、食事の時間が不規則になってしまったり、疲労によって食欲がなくなってしまったりするかもしれません。そうなると、食事の量がいつもより減ってしまい、ますますエネルギー不足に陥ってしまいます。
体重を正しく測ってエネルギー不足を確認
エネルギー不足にならないようにするために、「体重」を測定することが重要です。ただし、体重は1日を通して食べ物や飲み物の影響を受け、変動します。そのため、測定するタイミングはなるべく揃えなければ適切に確認することができません。1日の中で、食べ物や飲み物の影響を最も少なくすることができるタイミングは、朝起床時排尿後です。
(動画に使用した著者作成図を一部改変して掲載)
1~2日の短いスパンにおける増減変化は誤差の場合もあります。前日の夕食時間、睡眠時間、そして排便の有無も誤差を生じる要因の1つです。食欲がなかったり、運動量が増えていたり、なにかと忙しかったり・・・こういった心当たりと、体重が徐々に減っている(もしくは、成長期なのに増えない)・・・ということが重なっている状況は要注意です。
運動前後にinゼリーを活用
BAの生徒も、ジュニアアスリートの1人です。たくさん消費するエネルギーを食事でまかないきれない場合は、補食を活用し、効率よく栄養補給を行うことが重要です。運動前にはエネルギー補給として糖質が豊富に含まれるinゼリーエネルギーが活用できると思います。バナナやおにぎりなども糖質が豊富に含まれ、補食としてとり入れやすいかもしれません。そして、運動後は使った身体の筋肉の材料になるタンパク質の補給に役立つinゼリープロテイン5000が活用できると思います。牛乳やチーズなどの乳製品や豆乳などもタンパク質を補うための補食としておすすめです。
これらの商品はとても便利ですが、あくまでも補助的役割であることを十分にお伝えしたいと思います。食事による様々な食材からしっかり栄養補給を行うことが大前提です。例えば、練習後に比較的すぐに食事が食べられる環境であれば、ゼリーではなく食事を優先すべきだと思います。ゼリーを飲むことでお腹がいっぱいになり食事が食べられなくなってしまうことは、エネルギー不足に繋がる要因の一つです。
成長期アスリートに必要な栄養素の量の考え方
成長期だからといって、必ずしもより多くのエネルギーやタンパク質が必要かというと、そうではありません。一方で、身体の小さな子どもであっても、運動量が多いということは必要なエネルギー量も多くなり、それに応じてタンパク質の必要量も多くなります。タンパク質を多く摂れば、その分身体が大きくなるかというとそうではありませんが、不足しないように配慮が必要だと思います。
運動の有無に関わらず、日本人の食事摂取基準2020年版に示されているタンパク質の推奨量を年齢及び性別ごとに目安を紹介します。また、タンパク質を多く含む代表的な食材を抜粋した資料もあわせて図にお示しします。日々の食生活で、どのように組み合わせて必要量を揃えるのが理想的か?是非自分事として考えてみてください。
(動画に使用した著者作成図を一部改変して掲載)
BAでは、マウンテンバイクを扱う身体が重要なのはもちろんですが、野外スポーツであるため、天候や気温によってサーフェスコンディションが変動します。その変動に対応できるように、日頃から体調を万全に整えておくことが、質の高い練習を続けるためのポイントだと思います。
これからも栄養の動画配信を通して、サポートを継続していきます。
様々なスポーツがありますが、どのスポーツにも共通して、「自分の身体を知ること」は、とても重要だと思います。全国でスポーツを頑張っているたくさんの小中学生とその保護者の皆様も、是非参考にしてみてください。
(文責)
高倉 弥希