忘年会や新年会といった飲み会シーズンに突入しましたね。
お酒を飲む機会が増え、これまで続けてきた良い食生活が少し崩れがちになってしまうかもしれません。
しかし、タンパク質(プロテイン)の摂取を考えて料理を選ぶことでかっこいいカラダづくりのチャンスになるだけでなく、二日酔い防止が期待できます。
飲み会の時の料理の選び方については以前のコラムでご紹介しましたので、こちらもご覧下さい!
★栄養バランスを考えた「夕食」の摂り方【飲み会や残業時でもあきらめない!】
そもそも、二日酔いのメカニズムは完全には解明しきれていないようです。
一説には、アルコールに含まれるエタノールの代謝物であるアセトアルデヒドの毒性が、顔を赤くさせたり、脈拍が増えたり、吐き気などを引き起こす原因の一つと考えられています。
アセトアルデヒドとは(アルコールにも含まれている)エタノールが肝臓で分解され(酸化し)てできる発がん性のある物質です。一般にはたばこの煙や合板接着剤などに含まれる大気汚染物質の一種であり、依存性があります。
飲酒時にほとんどのアルコールはこの物質に分解され、分解しきれない一部が尿や汗となり体外に出ます。ようは体内にとどまりやすいため、二日酔いの原因にもなりやすいのではないかといわれているのです。(俗にいう「肝臓の強い人」とはこの分解能力の高い人を呼びあらわしています。)
またそこから二酸化炭素や水に変換され、皮膚ガス(体臭の原因)となって最終的に体外に出るのです。
アルコールの過剰摂取はすなわち前述したアセドアルデヒドの過剰摂取につながります。飲酒の許容量を超えると働きすぎた肝臓に負担がかかり、不調をきたすと起こるのが分解しきれなかったアルコールによる急性アルコール中毒や慢性アルコール中毒、またはアセトアルデヒドから分解しきれないことで起こるアルコール中毒です。
有毒な物質を解毒できない、代謝能力が衰え脂肪を蓄えるという事は、上記以外にもエネルギーを上手くつくりだせない等のリスクが高まる恐れがあります。
アルコールの過剰摂取で肝臓を弱めないためにも、楽しんだお酒をしっかりと体内で分解させるためにも、対策が重要ですね。
このように、肝臓はアルコールの分解に深く関わると考えられています。
アルコール代謝をスムーズに進めるためにタンパク質を摂っておくと、酔いの状態を引き起こすアセトアルデヒドの量が増えにくいという傾向があるのです。また、代謝を滞らせないためにもタンパク質摂取を心がけてみてはいかがですか。
お酒を飲むときは空腹にせず、タンパク源である肉や魚を一緒に食べてみましょう。
ビールに焼き鳥、日本酒に刺身、ワインにチーズなどお酒に合わせてタンパク源となる料理をオーダーすることで翌朝の二日酔いが軽減されるかもしれません。
そして、昼食でもしっかりタンパク源を食べておくことも一つの手になるようです。
タンパク質の他にも二日酔い防止をサポートする栄養素として以下のものが考えられます。
ビタミンB1にはアルコールの分解を手助けする働きがあるとされているため、豊富に含まれる枝豆をおつまみに選んでみてはどうでしょうか。
その他のビタミンも代謝をサポートしてくれるので、その意味でもサラダなどの野菜料理を選ぶことが大切です。
脂質を適量摂取することで、アルコールの吸収を穏やかにするとされています。カクテルに合わせてナッツを食べたり、揚げ物を一品注文するのもいいですね。ただし、食べ過ぎには注意が必要です。揚げ物料理を追加注文するといったことがないようにしましょう。
オルニチンはアミノ酸の一種です。遊離アミノ酸として体内を循環することで解毒作用を手伝い、肝臓を保護する働きが期待できると考えられています。シジミに豊富に含まれる成分として有名です。
二日酔いは、肝臓でのアルコールの分解が追いつかないことが一つの原因であると考えられています。
二日酔いを解消するためには、体内のアセトアルデヒドを早く体の外へ出すことが重要とも言えるでしょう。
そのためのポイントをご紹介します。
二日酔いで多いとされているのが、体内の水分が不足することによる不調といわれています。
頭痛、だるさ、吐き気などが代表的です。お酒を飲むことで水分をたくさん摂ったと思いがちですが、アルコールは利尿作用があるため、多くの水分が失われているかもしれません。
水をたくさん飲むことで血液中のアセトアルデヒドが薄まり、尿と一緒に排泄されると考えられています。
水分補給としては、ナトリウムやカリウムなどのミネラルが含まれているものは吸収がスムーズなためスポーツドリンクや味噌汁を飲んでみてはいかがでしょうか。
ビタミンCは、アセトアルデヒドの分解をサポートしてくれると考えられています。例えばオレンジやグレープフルーツ、キウイなどのビタミンCが豊富なフルーツを食べると良いでしょう。
タンパク質を摂取することで酔いの状態を引き起こすアセトアルデヒドの量が増えにくいという傾向があり、ビタミン類がアルコール分解をサポート、水分補給が体内の水分不足を緩和させてくれると考えられています。
プロテインやビタミン類を含むプロテインパウダーを水や牛乳で溶いて飲むことで、翌日のからだをサポートしてくれるかもしれませんね。
飲み会シーズン、適度なお酒とお料理で楽しい時間をお過ごしください。
参考
肝臓をいたわるおいしいレシピ 渡辺純夫監修 主婦の友社 2013
驚異のシジミパワー シジミパワー研究会 日東書院 2013