食生活が乱れがちな時、「食物繊維は足りているのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。食物繊維は、お腹の調子を整えるだけでなく、さまざまな働きをしていると考えられています。本記事では、食物繊維の働きのほか、1日の摂取量の目安や多く含む食品について解説します。
食物繊維は、炭水化物のうちヒトの消化酵素で分解されず、便として排泄される成分です。ビタミンやミネラルのようにカラダの中で代謝に関わったり、タンパク質のようにカラダを作る材料になったりするわけではありません。
しかし、食物繊維は便のカサを増やしたり、腸内細菌に利用されて腸内環境を整えたりするなど、さまざまな働きをしています。
厳密に言うと、腸内細菌の働きによって食物繊維からエネルギー源が作られます。とはいえ、作られるエネルギー量はわずかであり、エネルギー摂取量には関わらないと考えられています。
食物繊維は性質によって、水に溶けない繊維状の「不溶性食物繊維」と、水に溶けてドロドロとしたゲル状になる「水溶性食物繊維」に大きく分けられます。
これまでは、性質の違いから働きも2つに分けられ、不溶性食物繊維は便のカサを増やす働きがあり、水溶性食物繊維はコレステロールやグルコースの吸収を緩やかにすると考えられてきました。
しかし、数年前からは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の働きの違いをはっきりと分けられないと考えられています。食物繊維の働きは、まだ明確ではない点もあるのです。
日本人の食事摂取基準では、1日に摂取したい食物繊維の目標量が示されていて、年齢や性別で数値が異なります。
参照日:2021年6月4日
目標量だけを見ても、普段食べている食事で食物繊維が足りているのか分からないかもしれません。令和1年度に行われた国民健康・栄養調査の結果から、20歳以上の男女の食物繊維摂取量平均値をまとめました。
【参考】令和元年国民健康・栄養調査報告
参照日:2021年6月4日
日本人の食事摂取基準と国民健康・栄養調査を比べると、男性では70歳以上、女性では60歳以上で目標量を満たしていることが分かります。それ以外の年齢では、食物繊維が1~3gほど目標量に足りていません。しかし、表にまとめた国民健康・栄養調査の結果は平均値であり、個人差があります。
日本人の食事摂取基準は、さまざまな研究結果と日本人の食物繊維摂取量を考慮して目標量が示されています。健康的なカラダづくりを目指している方は、日本人の食事摂取基準の目標量を満たすように、食事を調整していくことを考慮してみてはいかがでしょうか。
なお、日本人の食事摂取基準で示されている目標量は、食品から摂取した場合の食物繊維量です。サプリメントから食物繊維を摂取した場合、食品由来の食物繊維のように健康的なカラダづくりをサポートするかどうかは不明な点もあります。食事からの栄養摂取を基本にすることが大切です。
どのような食品を食べれば食物繊維を効率よく摂取できるのでしょうか。食物繊維は、動物性食品にはほとんど含まれておらず、穀類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類などの植物性食品に多く含まれています。食物繊維を多く含む主な食品に含まれている、食物繊維総量をまとめました。
参照日:2021年6月4日
野菜の中で、さつまいもやごぼうなどの根菜類に食物繊維が多く含まれていることはよく知られていると思います。また、穀類にも食物繊維は多く含まれているため、主食を適量摂取することも目標量を満たすためには大切です。
食物繊維を摂取するポイントは、まずは食物繊維を多く含む食品を意識して食事に取り入れることです。そのほかには、主食であるパンやごはんの種類を変えるのもおすすめです。主食に含まれている食物繊維の量は以下の通りです。
参照日:2021年6月4日
パンであれば、精製された小麦から作られた食パンよりも、ライ麦パンなどの胚芽小麦を使ったパンなどは食物繊維を多く含みます。ごはんなら、精白米ではなく玄米、発芽玄米などを選ぶことも良いでしょう。このように、主食の種類を変えることで、摂取できる食物繊維の量が多くなります。
食物繊維の1日の目標量を3回の食事で平均的に摂取しようとすると、1回の食事あたりでは6~7gとなります。1食の食事量が少ない方は、主食、主菜、副菜をそろえた食事メニューにしても食事量が少ないことから、食物繊維の量も少なくなるかもしれません。そのような場合は、間食も活用しながら、食物繊維を含む食品を意識して取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、厚生労働省が示している「健康日本21」では、「野菜類を1日350g以上食べましょう」としています。この野菜類の摂取量を目安にし、ごはんやパン、豆類、果物なども適量そろえる食事も食物繊維の摂取量を増やすにはおすすめです。
【参考】健康日本21目標値一覧
参照日:2021年6月4日
さまざまな植物性食品から食物繊維を摂取することが理想ですが、栄養の偏りがない食事を用意できない日もあるのではないでしょうか。そのような場合は、手軽に食べられる栄養補助食品を活用するのも一つの手です。森永製菓の栄養補助食品の中から、食物繊維を含むものをご紹介します。
1本あたり、タンパク質16.2gと食物繊維6.8gを摂取できる、しっとりとした食感を楽しめるベイクドタイプのプロテインバーです。甘味を控えたビターな味わいで、甘い物が苦手な方も食べやすいのではないでしょうか。
このプロテインバーに含まれている食物繊維は、日本人の食事摂取基準の目標量の1/3量ほど。卵2個分とほぼ同じくらいのタンパク質も補給しながら、食物繊維を摂取できます。帰宅時間が遅く、夕食までの時間が空く場合の間食や、運動前後の栄養補給などに活用できます。
1本あたり、タンパク質10.4gと食物繊維4.6gを摂取できる、ウェファータイプのプロテインバーです。コーヒーの風味が広がるカフェオレ味で、サクッとした食感を楽しめます。間食として取り入れると、手軽に食物繊維を摂取できます。摂取できる食物繊維はinバープロテイン ベイクドビターよりも少ないですが、1日の食事内容を考慮しながら活用してみてはいかがでしょうか。
1個あたり、食物繊維5.4gを摂取できるゼリー飲料です。片手で飲めるパウチタイプで、外出先でも手軽に活用できます。エネルギー85kcalと控えめながら甘味も感じ、満足感を得られやすいのではないでしょうか。ももの果肉をゼリーにしたような、絶妙な固さと舌触りでデザートのように楽しめます。食物繊維が不足していると感じる日の食後のデザートや、間食にもぴったりです。
1個あたり、食物繊維5.4gを摂取できるゼリー飲料です。先にご紹介したもも味と同様にエネルギーは85kcalと控えめながら、デザート感覚で食物繊維を摂取できます。甘味がほど良く、マンゴーの風味も広がるのが特徴です。もも味と飲み比べてみてはいかがでしょうか。
食物繊維は、健康的なカラダづくりをサポートするといわれています。まずは、食事内容を振り返り、食物繊維を適切に摂取できているかを確認してみてはいかがでしょうか。もしも不足しているなら、食物繊維を多く含む食品を上手く取り入れることがおすすめです。