今年から制定「筋肉を考える日」!
筋肉とスポーツの相関関係とは?

「筋肉を考える日」ができたのを知っていますか? 森永製菓が制定した「筋肉を考える日」。
初めて耳にするという方も多いのではないでしょうか。今回、“金(筋)曜日が29(肉)日になる日”を「筋肉を考える日」として申請し、日本記念日協会に正式登録されました。(※2017年は9月29日(金)、12月29日(金)、2018年は6月29日(金)。)
「筋肉を考える日」とは、子どもから大人まですべての世代に大切な「筋肉」と、その材料である「たんぱく質」の関係性をより深く知り、日常的にたんぱく質を摂取しよう!という新しい記念日なのです。

監修

京都大学名誉教授 
森谷敏夫先生

南カリフォルニア大学大学院博士課程終了(スポーツ医学、Ph.D.)後、テキサス大学助教授、京都大学教養学部助教授等を経て、1992年京都大学大学院人間・環境学研究科助教授、2000年から同科教授。2016年より現職。著書「やせられないのは自律神経が原因だった!」(青春出版社)など多数。

南カリフォルニア大学大学院博士課程終了(スポーツ医学、Ph.D.)後、テキサス大学助教授、京都大学教養学部助教授等を経て、1992年京都大学大学院人間・環境学研究科助教授、2000年から同科教授。2016年より現職。著書「やせられないのは自律神経が原因だった!」(青春出版社)など多数。

そもそも「筋肉」とは?

筋肉は、からだを構成する、からだを動かす、からだを支えるなど、人間の「骨格」をつくり、動く「力」となり、そのエネルギーの「貯蔵庫※1」としてはたらいています。

特に運動時には、この貯蔵庫に貯えられている「グリコーゲン※2」を活用し、長時間にわたる運動はもちろん、高負荷なトレーニングにも耐えられるようになっています。 さらに、ホルモンや遺伝子とも関連がある臓器としても報告されており、単なる「骨格」や動く「力」、エネルギーの「貯蔵庫」だけではなく、健康寿命をさらに伸ばすために大きな可能性を秘めていると考えられ、近年多くの研究がすすめられています。

※1 筋肉のほかに肝臓もエネルギーを貯蔵しています。
※2 グリコーゲンはブドウ糖が連なった構造になって貯蔵されており、重要なエネルギー源となります。

「筋肉」を強くするために

「筋肉」を強くするためには、第一に適切な運動習慣をつくることが大切ですが、さらにその運動効果を高めるためにはタンパク質補給が大切です。

タンパク質は右図のように、肉類や乳製品、卵、魚などから補給できるものの動物性タンパク質と、納豆や豆腐、豆類などから補給できる植物性タンパク質があります。

普段何気なく食べている食事の中には、筋肉に大切なタンパク質を含む食べ物が、たくさんあります。もし、普段の食事にこれらの食品が不足している、もしくは食べているものの、肉類に偏っているなど摂り方に問題があると気づいた場合は、できる限り多くの動物性・植物性タンパク質をとることで、タンパク質の機能性を高めることができます。

研究者が考えるスポーツの重要性

京都大学名誉教授の森谷敏夫先生も、長年筋肉について研究し、その重要性を提唱しています。

「米国の研究結果で、歩くスピードが遅い人ほど早く亡くなるというケースが報告されていますが、この理由にも筋肉が大きく関係します。

歩行速度が速いということは、それだけ強く筋肉を収縮できるということ。腰から下に約60%ある筋肉をしっかり動かせる人は、筋肉が持つポンプ作用が働き、ものすごいスピードで心臓に血液を戻し、心臓もすばやくエネルギーを含む血液を供給することができます。

言い換えると、歩くということは筋肉のみならず心臓も鍛えているのです。体で最大のエネルギー消費の場である筋肉を使った運動を行わないと、エネルギーが消費されずメタボや糖尿病などになる可能性が高まります。さらに、運動不足は認知症につながりやすくなることもわかってきました。つまり、近年増加しているこれらの問題を防いでいるのは筋肉であり、筋肉を維持することが、筋肉を支えている多くの臓器の維持にもつながっていくのです。

また、日本人に多い隠れ肥満の根本的な理由は自律神経の低下にあると、私は考えています。自律神経はストレスや閉経などで乱れてしまうことがありますが、そのときにも運動が有効なのです。人間の進化において脳と筋肉は同時に進化を続けてきました。しかし人間の脳が行った技術の発展に伴い、人間の筋肉は逆に退化が始まりました。筋肉は動くことによって多くの臓器を支えてきましたが、本来の役割を果たせなくなっているのです。

私は筋肉を研究してきた研究者として、現在の状況に危機感を感じています。『筋肉を考える日』をきっかけに、改めて自分の筋肉について考えていただければと思います。」

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